ショート論評
ブログのバッシングに罰金180万円
慶応大学で卒業生が先生を恨んでブログで、あることないことを書いてバッシングした。先生はブロバイダーを訴えて人物を特定し、本人の訴訟でバッシングが有罪となった。
「権利」は「義務」が伴い、「節度」が求められるのは当然で、ネット社会ができてから、「匿名」が流行し、それが無視されるようになった。日本流に言えば匿名というのは誠意がなく、自分を守ろうとしているのだから、日本人にあるまじき卑怯な振る舞いだが、まあ、最初は仕方がないだろう。
でも、今回のSTAP事件で「表現の自由」をNHKや朝日新聞が一人の人を社会的に葬ろうと「凶器」として使った。放送法では「見解が違うときには両方の報道を」と決まっているのに、小保方、理研の双方の報道をしなかった。
だから、現在の公共放送などを補正する意味で、ネットが意味を持っているのは確かだが、「良いことをしているのだから、違法も構わない」というのはダメだ。今回の判決に基づいて、私も「ウソをついた匿名のバッシング」については、訴訟を起こしてネット社会の正常化(権利にともなく節度)を確立したい。
それがネットで私たちに与えられる開放感をさらに充実させることができるだろう。
(平成26年5月2日)
武田邦彦
(出典:武田邦彦先生のブログ)