2016年01月31日 17時53分 JST 更新: 1時間前 HUFF POST SOCIETY 坪井遥
小保方晴子氏が、手記『あの日』で主張した3つのポイント【早わかり】
「こうして私の研究者の道は幕を閉じた」――。
理化学研究所の元研究員、小保方晴子氏の手記『あの日』(講談社)が1月28日に出版された。2014年1月28日に行われたSTAP細胞の会見から、ちょうど2年後の出版となった。
同書は、小保方氏が再生医療研究を志すきっかけを綴った第一章「研究者への夢」、論文発表後に研究不正を指摘され、対応に苦慮する様子と当時の心中を描いた第八章「ハシゴは外された」など、全十五章・253ページの内容となっている。
国内のみならず、国際的にも関心を集めたSTAP細胞論文問題。「責任の所在」「不正の経緯」などについて関する小保方氏の主張を、本書の引用をもとに、3つのポイントにまとめた。
「もう僕のことを必要としてくれなくなって…」
若山研では私以外の全員が、「胚操作」と呼ばれる顕微鏡下でマウスの卵を使った実験を行える技術を持っており、顕微授精を行ったり、キメラマウスを作製したり、クローンマウスを作製したりする実験を行うことができた。
若山先生のところに来た研究員は皆、胚操作を若山先生から直接指導を受け技術を習得していた。
しかし、私だけは胚操作を教えてもらうことはできなかった。
(中略) キメラマウスの作製に成功した頃、「私にもキメラマウス作製の胚操作を教えて下さい」と若山先生に申し出ると、「小保方さんが自分でできるようになっちゃったら、もう僕のことを必要としてくれなくなって、どこかに行っちゃうかもしれないから、ヤダ」といたずらっぽくおっしゃった。
第四章「アニマル カルス」92ページ
(中略)
図表加工が改竄を疑われるとは「思いもしなかった」
私は学生時代に、バンドの濃さで示される量ではなく、バンドの有無を論文の図表で示す場合には、曖昧ではなく明確に示すべきだと指導を受けたことがあり、あるか、ないか、を見やすく加工することが改竄を疑われる行為だとは思いもしなかった。
第八章「ハシゴは外された」147ページ
(中略)
メディア、理研、早稲田大学への批判
記者から取材依頼の手紙が届いた。その中には「なぜ私たちが毎週のようにSTAP騒動を取り上げてきたか。
理由ははっきりしており、読者の評判がよかったから。
嫌らしい言い方をすれば、STAPを書けば部数が伸びました。
アンケートも毎週取っていますが票数はずば抜けていい数字」と書かれ、「私は小保方さんをモンスターのような存在として書いてきました」とはっきり書かれていた。
第十章「メディアスクラム」186ページ
(出典:
HUFF POST SOCIETY 坪井遥)
あの日
単行本 – 2016/1/29
小保方 晴子 (著)
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発売日 : 2016年01月28日定価 : 本体1,400円(税別)
真実を歪めたのは誰だ?
STAP騒動の真相、生命科学界の内幕、業火に焼かれる人間の内面を綴った衝撃の手記。
はじめに
第一章 研究者への夢
第二章 ボストンのポプラ並木
第三章 スフェア細胞
第四章 アニマル カルス
第五章 思いとかけ離れていく研究
第六章 論文著者間の衝突
第七章 想像をはるかに超える反響
第八章 ハシゴは外された
第九章 私の心は正しくなかったのか
第十章 メディアスクラム
第十一章 論文撤回
第十二章 仕組まれたES細胞混入ストーリー
第十三章 業火
第十四章 戦えなかった。戦う術もなかった
第十五章 閉ざされた研究者の道